真鍮の丸棒から、
ランタンを削り出す工場。
愛知県春日井市。従業員12名の金属加工工場、榊原工機。長く産業部品を請け負ってきたこの工場が、自らのブランドとして立ち上げたのが SAKAKI GEAR です。
主力は「名もなきランタン」シリーズ。真鍮の無垢材(ソリッドビレット)を自社のCNC旋盤にかけ、工業部品と同じ公差で削り出します。米国で広く使われている Goal Zero のコンパクトランタンに被せて使う、道具であり、持ち物でもある一品。日本のクラウドファンディングでは、第一号の「暁(Akatsuki)」がCAMPFIREで657名から11,549,515円(達成率11,549%)、続く「まほろば(Mahoroba)」がMakuakeで484名の支援を集めました。
「なぜ私たちは、人に言われたものだけを作っているのか」 — この問いから SAKAKI GEAR が始まった
この工場が海外に向かうのは、今回が初めてではありません。そのたびに設備と技術を積み上げてきた工場が、三度目に選んだのが「自分の売り場を持つ」ことでした。
1本80万円のパターが、
ロシアへ渡った
4,000万円の5軸マシニングセンタを導入。実力を示すために作った真鍮のゴルフパターは、1本80万円で2本が海を越えました。翌年、情勢が変わって取引ごと止まりましたが、腕が海外で通用することは、このとき既に分かっていました。
特許を出願し、
輸出の段取りを覚えた
次は中国へ。特許を出願し、書類も梱包も整えて出荷しました。この回は先方の事情で商談が流れましたが、輸出の実務はこのときに身についています。止まったのはどちらも、モノの出来とは関係のないところでした。
誰にも預けず、
英語の店を自分で開いた
代理店にも商社にも預けず、英語の直販サイトを自社ドメインで開きました。価格はUSD固定、決済はStripe、関税は日本側で前払い。アメリカのお客様から見て「普通のアメリカの通販」になった——そして、その月に最初のご注文をいただきました。



