Case 001 — Kasugai, Aichi

春日井で削った一台が、
アメリカのお客様に
選ばれた。

広告ではなく、削り出しの品質で。

榊原工機(SAKAKI GEAR)/愛知県春日井市・従業員12名の精密加工工場
英語直販サイト en.sakaki-gear.com 構築・運用:OVEREC

工場の人数 12
CAMPFIRE「暁」達成率 11,549 %
支援者(暁・まほろば) 1,141
英語サイト公開から初受注 $279 / 米国ミシガン州
The Brand

真鍮の丸棒から、
ランタンを削り出す工場。

愛知県春日井市。従業員12名の金属加工工場、榊原工機。長く産業部品を請け負ってきたこの工場が、自らのブランドとして立ち上げたのが SAKAKI GEAR です。

主力は「名もなきランタン」シリーズ。真鍮の無垢材(ソリッドビレット)を自社のCNC旋盤にかけ、工業部品と同じ公差で削り出します。米国で広く使われている Goal Zero のコンパクトランタンに被せて使う、道具であり、持ち物でもある一品。日本のクラウドファンディングでは、第一号の「暁(Akatsuki)」がCAMPFIREで657名から11,549,515円(達成率11,549%)、続く「まほろば(Mahoroba)」がMakuakeで484名の支援を集めました。

「なぜ私たちは、人に言われたものだけを作っているのか」 — この問いから SAKAKI GEAR が始まった

この工場が海外に向かうのは、今回が初めてではありません。そのたびに設備と技術を積み上げてきた工場が、三度目に選んだのが「自分の売り場を持つ」ことでした。

2018 — 設備に賭ける

1本80万円のパターが、
ロシアへ渡った

4,000万円の5軸マシニングセンタを導入。実力を示すために作った真鍮のゴルフパターは、1本80万円で2本が海を越えました。翌年、情勢が変わって取引ごと止まりましたが、腕が海外で通用することは、このとき既に分かっていました。

その後 — 輸出の足場を作る

特許を出願し、
輸出の段取りを覚えた

次は中国へ。特許を出願し、書類も梱包も整えて出荷しました。この回は先方の事情で商談が流れましたが、輸出の実務はこのときに身についています。止まったのはどちらも、モノの出来とは関係のないところでした。

2026 — 自分の売り場を持つ

誰にも預けず、
英語の店を自分で開いた

代理店にも商社にも預けず、英語の直販サイトを自社ドメインで開きました。価格はUSD固定、決済はStripe、関税は日本側で前払い。アメリカのお客様から見て「普通のアメリカの通販」になった——そして、その月に最初のご注文をいただきました。

夕暮れのキャンプで灯る SAKAKI GEAR のランタン Photo: SAKAKI GEAR
Transaction Record

初受注の一件を、
数字も含めてすべて公開します。

越境ECの話は「売れました」で終わりがちです。私たちは、そこから何が引かれ、いくら手元に残ったのかまで出します。以下はすべて、OVEREC の台帳と領収書に残っている実測値です。

“Found you on /r/machinists”

— 注文時にお客様が残したメモ(原文ママ)

広告は出していません。アメリカの機械加工コミュニティ(Reddit の r/machinists)で見つけてくださった、とお客様ご自身が書き添えてくださいました。削り出しの品質そのものが、そのまま出会いになったケースです。

届け先はミシガン州ポーテージ。関税はこちらで前払い(DDP)したため、お客様の受け取り時の追加費用はゼロ。日本の郵便局からEMSで発送し、5日で届いています。

注文 #3770 / 受注 2026-07-30 / 発送 2026-08-04(茅野郵便局)
EMS 追跡番号 EN531525259JP / 実重量 422g
HSコード 9405.99.4090(アルミ製ランタンカバー・電池なし)/ 申告価格 ¥44,640
商品:Namonaki Lantern Akatsuki — Aluminum Gunmetal

Order #3770 — 2026.07.30
販売価格米国内送料込み・USD固定$279
円貨での売上¥44,711
Stripe 決済手数料−¥1,771
入金額¥42,940
EMS 送料422g・日本→米国−¥3,900
保険料−¥100
米国関税(前払い)−¥5,580
関税前払いサービス手数料Zonos−¥1,125
梱包資材−¥400
実費 合計−¥11,105
OVEREC プラットフォーム利用料売上の7%−¥3,006
榊原工機の手取り¥28,829

※ 実費はすべて領収書ベースの実測値です。為替は決済時のレートによります。
※ この案件は第1号のため、月額基本料・発送サポート料は発生していません。通常の料金は料金ページをご覧ください。
※ 掲載は榊原工機さまの許可を得ています。

The Point

1台売って、
国内の定価より多く残った。

日本国内の販売価格(税込) ¥23,650
今回、手元に残った額 ¥28,829

国内では ¥23,650 で売っている同じ製品が、送料・保険・関税・決済手数料・当社の利用料をすべて差し引いたあとで ¥28,829 残りました。国内の定価そのものを ¥5,179 上回っています(国内販売ではここからさらにモール手数料などが引かれます)。
値上げをしたのではありません。アメリカで買う人にとって妥当な価格を、アメリカの通貨で、アメリカの買い方で提示しただけです。

Why It Sells

売れる理由は、
工場の手の中にありました。

アルミ無垢から削り出した曲玉(まがたま)の靴べら

曲玉(まがたま)の靴べら/非売品。SAKAKI GEAR「OUR WORK」より

アルミの塊から、3軸マシニングセンタで立体的に削り出した靴べらです。周囲の材にわずかなタブで支えたまま加工し、最後にそれを切り離す。仕上げは手磨きとアノダイズ。工場の若手が作りました。

靴べらを無垢のアルミから削る必要は、どこにもありません。「買ってください」ではなく「見てください」で置かれている一品です。曲面をどこまできれいに出せるかを、自分たちで確かめるために作られました。

海外のお客様が見ているのは、まさにここです。ブランドの物語ではなく、削り面そのもの。だからこそ、機械加工を知る人の集まる場所で選ばれる。私たちがしたのは、その手の内が正しく伝わる売り場を、英語で用意したことだけです。

SAKAKI GEAR

名もなきランタン

現在アメリカ向けに販売中の製品です。価格はすべて米国内送料込みのUSD固定。

「海外から問い合わせが来たけれど、
どうすれば」——その段階からで構いません。

榊原工機さまも、最初は同じ状態でした。まずは商品を1つ見せていただければ、海外で売れるかどうか、いくらで出すべきか、どこに手間がかかるかを具体的にお伝えします。相談は無料です。

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